<天下り>資格試験委託の公益法人で9割超 仕分けの対象に(毎日新聞)

 国所管の公益法人で、国・自治体から資格試験や検査検定といった事務事業を委託されている「権限付与法人」は414法人(08年12月時点)で、このうち90%超にあたる約390法人に天下り役職員がいることが分かった。行政ができない事業を担うのが公益法人の役割だが、事業委託を通じ天下りを受け入れさせている実態が浮き彫りになった。資格試験や検査検定の中には必要性が疑われるものもあり、政府は4月下旬からの事業仕分けで、こうした事務事業の必要性や、民間への開放などを検討する。

 内閣府や民主党がまとめた資料によると、天下り役職員がいる「権限付与法人」は、全国建設研修センター(全役職員198人のうち国土交通省などから天下り31人)、日本森林技術協会(同216人のうち農水省などから36人)など約390法人(天下り数は08年12月現在)。このうち約190法人には国から補助金が入っており、電波産業会(同157人のうち総務省などから12人)など7法人には国から年間10億円以上の高額の補助金が投入されている。

 天下り役職員がいる理由について、内閣府公益法人行政担当室は「事業を官庁で行うと、国家公務員の定員を定めた総定員法の枠から人員があふれてしまうので、事務事業とセットで公務員OBを公益法人に受け入れてもらっているところが多い」と解説する。

 天下り役職員が高待遇を得ているケースもある。管理美容師などの資格試験や講習を行う「理容師美容師試験研修センター」の理事長(旧厚生省薬務局長出身)は年収1500万円、専務理事(国立感染症研究所総務部出身)は1300万円。大規模な建設工事現場に配置を義務付けられている「監理技術者」の講習業務などを行う全国建設研修センターも、年収は理事長(旧建設省建設大学校長出身)が1477万円、副理事長(国交省中部地方整備局長出身)が1350万円といずれも高額だ。

 枝野幸男行政刷新担当相の下で仕分けを行う国会議員は「受験料や講習料は高く、それによる莫大(ばくだい)な収入で数多くの公務員OBを受け入れているのではないか」と問題視する。

 仕分けについて、枝野氏は「官の下請け的なあり方を制度論として抜本的に見直していきたい」と述べており、資格、検定などへの民間参入や講習料の引き下げをはじめ、天下りのあり方を含め公務員制度改革についても検討する見通しだ。【小山由宇】

 【ことば】権限付与法人

 国や都道府県が、法令などに基づいた国家資格試験などの実施を委託している法人。委託される業務は、試験や検査検定のほか講習なども含まれる。もともとは官庁や民間営利部門で行うよりも効率的に実施できると思われる業務を任されていた。一般的に「行政委託法人」や「権限付与法人」などと呼ばれる。

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